あなたのパンダ

おはようございます。
パンダが大好きだった坂口理恵です。

上野のパンダ、スクスクと育ってますね。
名前の応募32万件越えですって！
やっぱり人気があるんですね。

あなたのパンダはどれですか？
ホァンホァン、フェイフェイ？
トントン？
リーリー、シンシンは1番新しいパンダ。

私はね、カンカン、ランランですよ。
1972年ですよ。
上野動物園の最初のパンダですよ。

今も大人気だけど、当時もものすごい人気でした。
何しろ日本初ですからね。
日本中の子供が夢中になってたと思うなー。
私も大好きだったもの。

あんなに可愛い動物がいる？
タレ目で。
白黒で。
笹食べて。
タイヤで遊ぶ。………。

可愛くない所が無い！
もう夢中になりましたよ。

今じや、結構獰猛だって知ってるし。
聞けば白熊の次ぐらいとか………。
タレ目じゃなくて、あれは模様だし。
見に行ってもたいてい寝てる。
食べてゴロゴロしている姿はオッサンに見えてきます。

でもね、昔は好きだったの。
今ほど溢れてなかったけど、グッズもあって……。
子供には、とにかくパンダものあげとけばOK。
ハズレなし。
子供の心わしづかみ！

ああ、恥ずかしい記憶が蘇る……。

幼い頃、父と時計売り場にいた。
貴金属コーナーなのか？
そもそも何を買いにいったのかすら覚えていない。

子供にとっては何も面白くないその場所に、あったのだ。
キーホルダーが。
パンダちゃんが笑ってる絵のついた金のキーホルダーが。
何でそんなもんがそこにあったかも覚えてない……。
でも、私の心は釘付けになった。

欲しがった。
今まで言うことを聞かなかったりダダをこねた事は１度もない。
聞き分けの良いいい子。
優秀な、将来が楽しみな優等生。
その理恵ちゃんが狂った。
パンダのキーホルダーに。
ダダをこねた。
泣いてお願いした。
この世の終わりぐらい号泣した。

たぶんあれは非売品だったのではないかと思う。
高級貴金属を買った人だけがもらえる……。
だから父は困ったと思う。
どんなにダダをこねても買ってあげられないのだ。
どんなに可愛い娘でも、いらん時計や宝石は買えない。
父は困り果てたと思う……。

その隣で私は泣いていた。
内臓が出てしまいそうなぐらい号泣していた。

すると店員のおじ様がくれたのだ。
キーホルダーを私に。
｢お嬢ちゃん、どうぞ｣と。
父は｢いやいやいや！そんなそんなそんな！｣
と、恐縮していた。
でも、店員さんは｢いいですよ｣とくれたのだ。

オマケだし、たぶんプラスチックだし。
きっと余るし。
まあ、いろいろあってくれたのだ。
本当はいけないことだけど。

……死んでしまいたい。

今すぐタイムマシンに乗って、シバキに行きたい。
世の中上手く行かない事の方が多いんじゃー！

パンダを見ると思い出す、人生最初のハジです。
お父さん、ごめんなさいでした。


夏の花。
おしろい花です。



夏の夕方から花火のように開き始めるんですね。
種を割ると真っ白な粉が出てきます。
だから「おしろい花」。
小学生の時、育てたな～。

では、今日も行ってきます。